2007年の初頭のこと、私は自分が設立したジュリー・アンド・ジュリアのための次の共同プロジェクトを探し求めていた。私はジュリア・テイラーと共同で教材を執筆できたことをとても嬉しく思っていた。この教材は市場でも好感を持って迎えられ、ポーカー界からも多数のポジティブな反応を得ることができ、結果として、他のポカープレイヤーとの共同プロジェクトを通じてアイデアの交換という経験を大いにエンジョイすることができたのだ。ポーカートーナメントでプレイされたハンドに焦点を当てた教材というのは、次のプロジェクトとして素晴らしいものだと思われた。だがそれには一緒に参加してくれるエキスパートが必要だった。
ちょうどその頃、私はライゼンが書いた「ハリントンを越えて」という記事を読む機会があった。そこで彼は読者に、ポーカープレイというものが次々と変化していくのにどう対応していくかを説いていた。私はエリックの明晰な文章と、新しいアイデアやコンセプトを記述していく能力に感心させられた。
エリックとコンタクトを取り、それが実り多いミーティングへとつながったとき、本コース(そしてその他の教材)が形となり始めた。エリックと私はプロジェクトに関するブレインストーミングの中で、ほかに参加すべき講師として誰がふさわしいかを話し合った。私はオンラインコースを運営しており、その中で行われている「年間最優秀インターネットプレイヤー」のランキングのトップにいるプレイヤー達にまず目を向けるのが当然の理のように思われた。プレイヤーのランキングは、全てのメジャーなオンライントーナメントの成績に基づいている。そのトップレベルに、何週にもわたって、何カ月にもわたって、あるいは何年にもわたって、ランクインし続けているプレイヤーなら、その他大勢のプレイヤーとは一線を画したプレイをしてきているだろうというのは明らかだった。
そんなプレイヤーの1人がジョン・パールジャマーターナーたった。パールジャマーは2006年の年間最優秀インターネットプレイヤーのランキングの3位に入り、2007年にはこの賞を獲得している。エリックとジョンは知り合いであり、エリックは彼がこのプロジェクトにふさわしいと考えていた。私はパールジャマーに電話をして、そのあくる日にはもう彼はこのプロジェクトに乗ってきたのだ。彼に素早い決断の能力があることたけは確かではないか!そして私はパールジャマーとエリックにそれぞれ、講師としてふさわしいプレイヤーの短い候補者リストを作るように頼んだ。喜ばしいことに、両方のリストのトップにきたプレイヤーが、ジョン・エイプスタイルズ・ヴァン・フリートだったのだ。
パールジャマーは私と似たようなスタイルを持っている。トーナメントの序盤では、ポットサイズをできるだけ小さく保って、相手を罠に賭けるチャンスが来るまでリスクを最小にとどめることに集中する。彼はリスクを最小にすることを優先し、小さなポットしか取れなくてもいいと考えているのだ。後半に進むにつれ、いい場面に遭遇したときにはより活発にハンドに参加するが、それでも全体としてはライゼンやエイプスタイルズよりは保守的なプレイヤーだと言える。パールジャマーがプレイの焦点を見失って道を踏み外すということは滅多にない。
エイプスタイルズはよりアグレッシブなアプローチを取っており、バブルの場面ではとても熱いプレイを見せてくる。彼は早い段階からスタックを増やすことを狙っており、そのためにトーナメントの序盤では注意深くプレイしようとしている相手に対して、アグレッシプにプレイを仕掛けていく。エイプスタイルズは少しでも自分が有利だと感じれば、そこにつけ込んでいくことを恐れないのだ。また彼にはスタックサイズに応じてどうプレイするかということに関して明快かっ丁寧に決められた戦略を持っている。
ライゼンはゲームプレイのギアの数をほとんどのプレイヤーよりも数多く持っている。彼は自分のテーブルでのイメージがどうであるか、あるいは相手のプレイスタイルがどのようなものかに常に集中しており、そこから、個々の状況、特定の場面、特定の相手に応じてベストのスタイルと戦略を導き出せるのだ。ライゼンは一歩引いて保守的にプレイすることもあるが、もし状況が変われは相手とぶつかり合うことも厭わない。ライゼンはリスクを取ることもあるが、それはローリスクハイリターンの状況に限られる。
本コースは複数からなるシリーズの序章である。前半では、賞金バブルまでのプレイをカバーする。後半では入賞が確定してからのプレイと、ファイナルテーブルでのプレイまでを取り扱う。ライゼンとパールジャマーは自分がプレイしたハンドの中からそれぞれが選んだ50のハンドを解説する。エイプスタイルズは30ハンドを解説し、その後、あるトーナメントのバブルの場面でプレイした24のハンドについて解説を行う。
本コースの目的の1つは異なったスタイルのプレイヤーを参加させることで、受講者が似たような状況でそれぞれがどう異なるスタイルを見せるかが分かるようにすることだ。その違いをさらに鮮明に表すために、私は自分がプレイした中から20のハンドを選んで、3人の講師たちに、彼らならどのようにプレイしたたろうかということをコメントしてもらった。ハンドのうちいくつかは、大事なコンセプトについて全員が同意していることを示すために選ばれており、それ以外のハンドは議論や討議の対象となることを期待して選ばれた。嬉しいことに、私の元に届いた答は三者三様だったのだ!私はまた、意図的に自分が上手くプレイできなかったハンドも織り込んでおいた。トッププレイヤーならどうそれらをプレイしただろうかという意見は参考になるからだ。
彼らトッププレイヤー達と一緒に仕事ができたおかげで、私自身のプレイも大きく上達することができた。最近のことたが、750K保証トーナメント(賞金総額$750,000以上が保証されたトーナメント)で優勝することができ、$132Kという賞金を手にすることができたのた。本コースを受講すれば、あなたにもそれを手にできると保証はできるか?そこまでは保証できないが、初心者から上級者まで、本コースに盛り込まれている教えを学びとれば、ゲームの上達に役立っということだけは、確信している。彼ら3人は、プレイヤーの中でも厳選された一握りであり、最高のプレイヤーなのだ。トッププレイヤーにコーチしてもらえるチャンスなどそうあるものではない。本コースを読んで学ぶことは、トーナメントボカーの上級クラスに出席するようなものなのだ。
忘れないでほしいが、ポーカーをプレイすることは楽しいものだが、勝てればもっと楽しいものなのだ。勝者になるために、世界最高のプレイヤーがどうプレイするかを学ぶ以上の方法なんて、ほかに誰が思いつくだろうか?
ジュリー・アンド・ジュリア共同設立者 ジュリー